こんにちは!
ロボットエンジニア系VTuberの井伊矢テトです。
普段はロボットやロボコンのことを中心に発信している私ですが、この度ご縁がありまして、諸星めぐるさん(@boshi_megu)主催のリレー企画「スクールオブチューブ江戸時代講座」に参加させて頂くことができました。
スクールオブチューブは、様々なVTuberが先生となり、あるテーマに沿った授業配信を行うリレー企画です。
今回のテーマは「江戸時代の〇〇」。
私は「江戸時代の大砲製造」というテーマでお話させて頂きました。
アーカイブございますので、良ければぜひご覧ください!
また、第1回、第2回のリレー企画の再生リストもご用意いただいていますので、こちらもぜひぜひご覧ください!
沢山のVTuberさんが話されているのに全然ネタ被りが無くて、世界の広さ、奥深さに驚かされます。
さて、配信の内容についてはアーカイブをご覧いただくとして、この記事では、今回の授業作成にあたり調査させていただいた文献をご紹介したいと思います。
早い話が【参考文献リスト】です!
これらをご覧いただければ、江戸時代の大砲製造についてより詳しくなっていただけること間違いなし!
※なお、図表のみお借りしたwebページなどは掲載しておりません。そちらは配信アーカイブをご覧ください。
[1]中江秀雄. 大砲から見た幕末・明治.法政大学出版局,2016,254p,
ISBN:978-4-588-31402-5
もうTHEコレというタイトルの書籍。すごくお世話になりました。
幕末から明治にかけての大砲事情が網羅的に記述されています。
[2]中江秀雄. 日本の大砲とその歴史.雄山閣,2022,216p,
ISBN:978-4-639-02829-1
こちらもTHEコレという書籍。[1]よりも6年新しいことから、ちょっと研究が進んだと思われる記述の変化もみられる。
扱う範囲が広く、戦艦大和の主砲の製造についても記載されていますよ。
[3]中江秀雄. 新版 鋳造工学.産業図書,2008,200p,
ISBN:978-4-7828-4059-5 C3053
鋳造に関する本格的専門書。たぶん学部レベルの授業で使われているものだと思います。
これを読めば、鋳鉄砲の失敗についてより理解が深められるでしょう。たぶん。
[4]中野俊雄.江戸幕末における反射炉.鋳造工学.2008,80(8),p.494-504.
各地の反射炉の構造や操業の様子が詳細に記述されています。
こちらの文献では、反射炉による鋳鉄砲製造の失敗について、材料の問題の他に、炉内の温度の問題も指摘しています。
[5]中江秀雄.反射炉と甑による鋳鉄製大砲の製造.鋳造工学.2018,90(8),p.467-472.
幕末期の鋳鉄砲の製造に関連するトピックについて、幅広く記載されています。反射炉内で起こる鉄の組成変化について端的にまとめられていますので概要がつかみやすいと思います。
配信では省略しましたが、埼玉の増田安次郎が甑を使って鋳鉄砲を製造できた秘術についても記載がありますのでお勧めです。
[6]伊豆の国市教育部文化財課. 韮山反射炉解説パンフレット. 2020-04-01, 伊豆の国市, https://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/bunka_bunkazai/manabi/bunkazai/hansyaro/documents/hansyarotoha.html, 2025-07-06参照
配信では時間の都合でかなり省略してしまった韮山反射炉の詳細について、分かりやすくまとめられています。
世界遺産としての意義も解説されていますよ。
[7]菅野利猛.韮山反射炉における鋳鉄製大砲鋳造の可能性.鋳造工学.2006,78(1),p.23-29.
韮山反射炉で鋳鉄製大砲はできたのか、その謎に対して、実際の鋳造実験も交えながら検証した論文。
南炉と北炉の構造の違いにも言及するなど非常に詳細な検討が行われています。
[8]菅野利猛. 韮山反射炉と大砲. 2017-05-01, 木村鋳造所, https://kimuragrp.co.jp/blog/company/effort/, 2025-07-06参照
基本的には文献[7]と同じ内容ですが、図表をカラーで見ることができますので、より現象が理解しやすいと思います。
[9]菅野利猛. 世界文化遺産、韮山反射炉の10大ミステリーを解く. 2017-05-01, 木村鋳造所, https://kimuragrp.co.jp/blog/company/effort/, 2025-07-06参照
韮山反射炉での操業についてまとめた文献ですが、西洋や中国での鋳造技術の発展についても検討が行われており、世界の潮流の中での韮山反射炉について考えることができます。
また、当時の文献の詳細な調査から、佐賀および韮山では、増田安次郎が甑で鋳鉄砲を製造し得た秘術を把握していたのではないか、という説に言及しています。
[10]菅野利猛. 韮山反射の大砲復元鋳造について. JACT NEWS. 1998, 9, p.16725-16733
韮山反射炉で製造された記録のある24ポンドカノン砲を復元鋳造する取り組みについてまとめられている文献です。
当時の技術検証を行いながら、それを現代の製造プロセスに落とし込んでいく様子は必見です。
[11]中江秀雄.近代日本の鋳造技術史.まてりあ.2023,62(7),p.458-463.
反射炉だけではなく、甑を用いた鋳造についても詳しく言及されている文献です。なぜ反射炉の導入に至ったのか、より深く理解できると思います。
[12]新井弘.鋳鉄砲の歴史と技術問題.鋳造工学.2004,76(7),p.599-606.
世界の鋳鉄砲の歴史についてまとめられている文献です。
日本が鋳鉄砲の分野でかなり遅れをとっていたことが分かります。
[13]佐賀市教育委員会社会教育部文化振興課世界遺産調査室. 幕末佐賀藩の鋳鉄関連施設. 2010-08-22, 佐賀市, https://www.city.saga.lg.jp/site_files/file/usefiles/downloads/s36339_20130529102029.pdf, 2025-07-06参照
日本最初の反射炉である築地反射炉の発掘調査の結果がまとめられた資料です。出土品などから、当時佐賀で鋳鉄砲の製造が試みられていたことが想像されます。
[14]勝負澤ほか. コシキ溶解技術の高度化.岩手県工業技術センター研究報告.2003,10,p.71-74.
甑を用いた金属の溶解において、各種操作に伴って生じる溶湯の変化等について、実験を行った文献です。
増田安次郎の秘宝について理解を深めるのに役立ちます。
[15]鄭ほか. 明後期に鋳造された紅夷大砲の金属学的調査. FUSUS. 2015, 7, p.33-48.
1638年に中国で製造された鋳鉄砲についての文献です。当時の明において、どのように鋳鉄砲が作られたのか、また、同様に西洋の技術を取り入れようとしていた日本とどのような違いがあったのか、知ることができます。
はい!
文献は以上でございます!
お疲れさまでした!
2週間ぐらいでこれだけの文献確認したの、我ながら結構頑張ったと思う。
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このリストが皆さんの知の探究のお役に立てることを祈っております!






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